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11月15日付の朝日新聞記事です。「気軽に行動できるけど・・・高齢者の電動自転車、死亡事故増
安全運転を心がけましょう、という意味ではよい注意喚起になるとは思うのですが、記事を読んだ方が電動アシスト自転車は危険な乗り物だと誤解しないように少し解説(一部反論)しようと思います。

同記事内において、2008年に発生した電動アシスト自転車の死亡事故件数は29件、2017年のそれは42件で、増加傾向にあるとのこと。つまり9年間で約1.5倍増です。次に生産台数は2009年の31万台から2017年では57万台に増えていると書かれています。なおこの数字は生産台数であって、自転車の利用者数ではありません。一般的に、電動アシスト自転車は毎年買い換えが必要なものではないため、毎年数十万台が生産されているということは、そのすべてが販売されるわけではないとしても、利用者数も同程度増加していると考えられます。利用者数が毎年数十万人ずつ増加しているのに伴って事故の発生件数が毎年数件程度増加している、つまり事故だけが増えているわけではありません。また「死亡事故の8-9割が高齢者だ。高齢者の割合は自転車事故全体と比べて高い」と書いてありますが、電動アシスト自転車のメインのユーザーが高齢者である以上は(残念ではありますが)当然の結果といえるのではないでしょうか。

もちろん事故の増加に対しては何らかの対策が必要かもしれませんが、同記事を読んでいると、電動アシスト自転車そのものに問題があると受け取ってしまう方がいないだろうかと、自転車業界に身を置く者としては心配になります。電動アシスト自転車は、もともと高齢者を主なターゲットとして開発されてきたという経緯があります。これが高齢者にとって危険なはずがありません。事故が起きるとすれば、製品の特性やルールを理解しないまま使用してしまうユーザー側の問題である可能性があります。

記事を書いた記者の方は、おそらく普段自転車に乗らないので自転車についてあまりご存知ないのではないかと推測します。なぜそう思うかというと、記事中の写真のキャプションに、「(自転車を)20代の記者も重く感じた」と書いておられるからです。危険であるとの先入観を持って、はじめて乗ってみた感想だとこうなるのでしょう。それから、記事の内容を考えるとタイトルも適切ではありません。「電動自転車」については一切触れられていませんのでここは「電動アシスト自転車」とすべきですね。ひょっとするとこの方は高齢者による電動アシスト自転車関連事故の件数が増加していることから短絡的に、電動アシスト自転車イコール高齢者にとって危険な乗り物、という印象を持ったのかもしれません。

いかなる道具も使用方法を誤ったり、それを使いこなせないと危険なものになり得ます。皆さま、便利な電動アシスト自転車で安全かつ快適な日常を。