電動アシスト自転車 豆知識

知っていたらちょっと得する、自転車が好きになる、そんな自転車に関する豆知識をまとめました。

<目次>

パンク対策
リチウムイオンバッテリーを長く使うために
外装変速と内装変速
電動アシスト自転車に変速機は必要か
自転車の盗難対策
ペダルとBBの逆ネジ
タイヤの向き、バルブとロゴの位置合わせ
クイックレバーの向き
幼児同乗可能リアキャリア
WO規格とHE規格
ペダル回転数(ケイデンス)
チェーンの伸び
前後ブレーキ比


パンク対策

一口にパンクと言ってもその原因は様々で、主に以下の3つに分類されます。

  • 釘やガラス片などの異物が刺さることによるもの

これが最も考えられやすい原因ですが、実は起きる確率はそんなに高くありません。予防策としては、走行場所に気を付ける、肉厚チューブや対パンク性能の高いタイヤを使用する、などが考えられます。

  • 破裂(バースト)によるもの

車輪(リム)に対してタイヤとチューブが正しく組み付けられていなかったり、タイヤが摩耗して裂けてくると、チューブがタイヤの外に滑り出し、高圧に耐えきれず破裂するというものです。これについてはタイヤ、チューブを正しく装着すること、適切な時期にタイヤを交換することでほぼ間違いなく防ぐことができますので、発生する確率は①よりもさらに低いです。

  • リム打ちによるもの

パンクの原因の多くが、実はこのリム打ちによるものです。空気圧が低い状態で縁石などの段差に差しかかったとき、障害物とリムの間にチューブが挟まって破れてしまいます。チューブのリムの縁に当たった個所に2か所穴が空くのが特徴で(下写真)、蛇が噛んだ跡のように見えることからスネークバイトと呼ばれることもあります。

新品のタイヤやチューブでも起きる可能性がありますので注意が必要ですが、空気圧を適正に保つ、段差に勢いよく進入しない、などの点に気を付けることである程度予防できます。


リチウムイオンバッテリーを長く使うために

リチウムイオンバッテリーにはメモリー効果はありませんので継ぎ足し充電が可能ですが、バッテリーそのものの劣化は避けられませんのでいずれ寿命が来て使えなくなってしまいます。ただし、以下の2点に注意して使うことでできるだけバッテリーを長く使うことができます。

  • 涼しい場所で保管する

リチウムイオンバッテリーは高温になる場所に置いておくと容量劣化を起こしますので、気温が高くなる夏場は注意が必要です。野外や車中に放置せず、できるだけ涼しい場所(15℃以下)で保管するのが理想的です。

  • 電池の残量がなるべく少ない状態で保管する

満充電に近い状態を常に維持していると、容量劣化が大きくなります。このため、頻繁に充電を繰り返すような使い方はお勧めできません。できるだけ使い切ってから充電するようにしましょう。


外装変速と内装変速

自転車の変速機には大きく分けて外装と内装の2種類があります。名前の通り、変速の機構が外に露出しているか、後輪のハブに内蔵されているかが最大の違いであり、目で見てすぐに識別が可能です。それぞれにメリットとデメリットがありますので、下表にまとめておきます。ちなみに、両者に互換性はありませんので、よほど大がかりな改造を施さない限りは、外装を内装に(あるいはその逆)仕様変更することは基本的にはできません。

 

メリット デメリット
外装変速 軽量

変速段数が多い

パワーの伝達率が高い(95-97%程度)

頻繁にメンテナンスが必要

停止時に変速操作できない

転倒時などに破損しやすい

内装変速 メンテナンスの必要性が低い

停止時でも変速操作ができる

寿命が長い

外装と比較して重い

変速段数が限られる

パワーの伝達率が外装と比較して数パーセント劣る

 

このように、操作が簡単でメンテナンスの必要性も低いことから、内装変速はシティサイクルに多く採用されています。一方で、軽量かつパワーの伝達効率が良い外装変速は、スポーツ車では一般的です。

ちなみに、外装変速はチェーンがすぐに外れる、と言われることがありますが、これはあまり正しいとは言えません。外装変速はメンテナンスを怠ると少しずつ調整が狂ってしまいますので、そのまま乗り続けると変速時にチェーンが外れることがありますが、これは変速機の不具合や欠陥ではありません。適切にメンテナンスを行い、正しい使い方をすればチェーンが外れることはまずありません。高レベルでの精度や操作性が求められる競技用の自転車のほとんどに採用されていることからもそれがわかります。

外装変速機

内装変速機


電動アシスト自転車に変速機は必要か

変速機とは、人がペダルを漕ぐ動きを、走行に適した回転数に変換し車輪に伝達する部品です。これは、自転車が安全に「走って」「曲がって」「停まる」ためには必ずしも必要な部品ではありません。

では、モーターの力でどんな時でも楽に乗ることができる電動アシスト自転車についている変速機は、何のためでしょうか。

電動アシスト自転車に乗るときは、一定のギアで走り続けても問題はありませんが、最適のギアを選択することで、機械にとっても人間にとっても、より効率よく走ることができます。

例えば、アシストの力で上り坂を重いギアで上ることも可能ですが、これではモーターへかかる負荷が高いため、バッテリーの消費が大きく、つまり走行距離が短くなってしまいます。当然充電の頻度も多くなりますから、長期的に見ればバッテリーの寿命を早めることになってしまいます。

また、モーターがペダルを回すのを助けてくれるとはいえ、重いギアでは膝への負担もかかりますので、上り坂ではギアを軽めに設定したほうが良いでしょう。


自転車の盗難対策

警視庁によりますと、平成24年の国内の自転車盗難の認知件数は30万件を超えています。これは盗難届が出された件数ですので、実際にはさらに多くの盗難が発生していると考えられます。

このうち約半数が、施錠されていない状態で被害にあっています。盗難防止のためには、自転車に鍵をかけることがまず必須と言えるでしょう。自転車によってはリング錠が標準装備のものがありますが、できればワイヤーロックなど、別のタイプの鍵を併用することをお勧めします。窃盗犯にとっては物理的に鍵を破壊する手間がかかるのはもちろん、視覚的な抑止効果も期待できるからです。

ワイヤー錠を使用するときは、自転車の車輪だけでなく、地面に固定された柵や柱などに結わえ付ける「地球ロック」で防犯効果が高まります。

ワイヤー錠には鍵タイプと暗証番号のタイプがありますが、盗難阻止率においてはあまり差はないようですので、使いやすい方を選びましょう。

それでも万が一盗難にあってしまったときに備えて、防犯登録は必ずしておきましょう(法律で義務化されています)。

また、京の洛スクでは、購入後の2年間、盗難被害に遭われた方に対して補償制度が整っています。詳しくはこちら


ペダルとBBの逆ネジ

自転車には多くのネジが使われていますが、なかにはネジを締める方向が通常とは反対のもの(逆ネジ)があります。知らずに無理にねじ込もうとするとネジ山をつぶしてしまいますので注意が必要です。

自転車に使われる逆ネジは主に以下の2か所。

左ペダル

クランクの回転によってペダルが緩むのを防ぐため、逆ネジになっています。右側は正ネジなので注意。ペダルには左右識別のための印がついています。Lと刻印があれば左、Rが右です。または下写真の丸印のように、取付軸に縦のラインの刻印が入っているものが左ペダルです。

右BBワン

国内で普及している多くの自転車(JIS規格)のBB(ボトムブラケット)右側は逆ネジです。左ワンは正ネジ。(イタリアン規格では左右ともに正ネジ)

脱着には特殊工具が必要ですし、よほどのことがなければ脱着の必要はないでしょう。


タイヤの向き、バルブとロゴの位置合わせ

タイヤには回転方向があります。逆向きに取り付けても安全上は問題ありませんが、グリップ力、水はけ、走行音などに多少の影響が出る可能性もありますので交換の際には正しい向きで取り付けるようにしましょう。

タイヤの側面にメーカー名などのロゴが表記されていれば、多くの場合、進行方向に対してロゴが右側にくるよう取り付けると正しい向きとなります。

その際は、下写真のようにチューブのバルブの位置にロゴを合わせるのが一般的です。


クイックレバーの向き

車輪の脱着に便利なクイックレバーですが、固定レバーの向きに気を付けましょう。前輪はフロントフォークと平行に、上向きにすれば見た目もすっきりします。(下写真では左が進行方向)

一部スポーツモデルでは、空気抵抗軽減のためフォークに対して垂直に(後ろ向きに)ロックする場合もあります。

下写真のように進行方向に向かってロックすると、走行中に万一障害物に引っかかってレバーが開いた場合、車輪が外れ非常に危険です。

 

後輪は下写真のように、フレームの三角の中にレバーをおさめるといいでしょう。


幼児同乗可能リアキャリア

自転車の後ろ荷台にチャイルドシートを取り付けて幼児を乗せる場合は、最大積載重量が25kgまたは27kgと表示された十分な強度のある荷台を使用します。表示は最大積載重量ですのでチャイルドシートと幼児の体重の合計です。積載オーバーには気を付けましょう。

最大積載重量が18kgまでのキャリアもありますが幼児を乗せるには適していません。これは、外見が同じようでも剛性や強度が足りないためです。走行中に荷台が左右にたわみ、ふらつきの原因となり非常に危険です。最悪の場合破損する可能性もありますので、絶対にやめましょう。


WO規格とHE規格

自転車の車輪には20インチや26インチなど様々なサイズがあるのはご存知かと思います。注意したいのは、表記上は車輪径が同じでもWO(ワイヤードオン)とHE(フックドエッジ)の2種類の規格があり、それぞれに互換性がないということです。

下写真のタイヤサイズは26×1・3/8で、一般的にはこのように分数で表記されているものはWO規格です。ちなみに軽快車(ママチャリ)の多くはWO規格を採用しています。

次の写真は26×1.90のタイヤで、このように小数で表されるものはHE規格です。マウンテンバイクなどのスポーツ車は多くがHE規格を採用しています。

交換用のタイヤをお買い求めの際は、お持ちの自転車がどちらの規格なのか知っておく必要があります。なかにはとても紛らわしいものがありますので注意が必要です。(例:20×1はWOですが、20×1.0はHEです)


ペダル回転数(ケイデンス)

自転車で走るときは、走行スピードではなくペダルを漕ぐペースを一定に保った方が身体への負担が少なく疲労しにくいと言われます。

変速機のついた自転車では、路面の勾配や風向きなどの要因に合わせて最適なギアを選択し、ペダルを漕ぐペースを一定に保つのが理想的かつ基本的な走り方です。

一分間のクランク回転数(ペダルを漕ぐ回数)をケイデンスといい、rpmという単位で表します。つまり、60rpmとはクランクが一秒間に一回転するということです。

体力には個人差がありますので理想のケイデンスは一概には言えませんが、一般的には70rpmあたりが最もエネルギー効率が良いと言われています。あまりスピードを出さない軽快車では50-60rpm、スポーツ車などでサイクリングする場合には70-90rpmあたりが目安です。

自転車に取り付けるスピードメーターには、写真のようにケイデンスも計測可能なものがありますので、興味がある人は使ってみると面白いかもしれません。


チェーンの伸び

自転車には多くの消耗品パーツが使われており、チェーンもそのひとつです。自転車を長期間使用することでチェーンにたるみが出てきます。いわゆる「チェーンが伸びた」という現象ですが、実際には金属製のチェーンがゴムのように伸縮するわけではありません。

「伸び」の原因は、チェーンの各コマとピンの連結部が摩耗して隙間ができることにより、チェーン全体の長さが長くなってしまうことにあります。このため、「チェーンが伸びた」からといって一コマ分を切断しただけでは根本的な解決にはなりません。摩耗したチェーンはギアとのかみ合わせが悪くなり歯飛びを起こしやすくなります。また、ギアを傷める原因にもなりますので新しいものに交換が必要です。


前後ブレーキ比

多くの自転車は後輪駆動であるため、前よりも後ろブレーキの方が制動力が高いと思われるかもしれませんが、実際は前ブレーキのほうが良く効きます。これはブレーキそのものの構造というよりも、慣性という、物体が動き続けようとする力が影響しています。

ためしに自転車を押して歩きながら、それぞれのブレーキをかけてみましょう。前ブレーキをかけると自転車はピタリと停まりますが、後ろブレーキをかけても車輪は地面を滑ってしまいます。

ブレーキをかけた瞬間、車体は前方へ動き続けようとするのに対して前輪は地面に押し付けられる方向に力が働きます。一方その時、前輪に荷重が一時的に移動し、後輪は地面から持ち上がろうとするため、制動力が低くなります。

このことから、前ブレーキを後ろよりも少し強めにかける使い方が理にかなっていることがわかります。一般的には、理想的な前後ブレーキ比は6:4から7:3くらいと言われています。